心理カウンセリングにおいて行動の変容はなぜ起こるのか
心理カウンセンリングはクライエントの方の生き辛さからの解放のために、行動の変容を1つの目標として実施します。
では、行動の変容とは具体的にはどのようなことを示すのでしょうか。
・3年間ひきこもっている青年がアルバイトをはじめる。
・毎日掃除を4時間かけて行う主婦が、掃除を2日に1回、1時間とする。
・人と話すことが苦手な学生が、自分から積極的にコミュニケーションをとりだす。
・休日は家で無目的に過ごしていた中年男性が、山登りをはじめる。
このように行動の変容の具体例をあげますと、枚挙にいとまがありません。
そして行動の変容とは何かをするだけではなく、何かをしない(実施回数を減らす、休む)ことも行動の変容です。
では、心理カウンセリングにおいて、なぜクライエントの方は、行動の変容が起こるのでしょうか。
そこには、クライエントの方の「思考の変更」と「スキルの獲得」があると思われます。
1 思考の変更
私たちは何らかの行動を日々意識的にとっています。
そしてこの行動は思考もしくは意識が、その行動を選択してとらせています。
すなわち、思考(意識)が行動を決定しているのです。
したがって、行動を変容させるには思考(意識)を変更すればいいということになります。
(但し、鬱や他精神疾患のように、脳内物質の問題、脳の器質的障害のある場合は除きます。またPTSDのようにその場を思い出しただけで体の変化が現れる意識統制が不能の場合も除きます)。
では、思考と行動はどのように影響しあっているのでしょうか。
例えば1日6時間も日常家事に時間を割き、へとへとに疲れている女性がいるとします。
この女性の異常なまでに家事をし続ける元には、完璧に家事をしなければならないという思考があるとします。
ここで問題は、なぜ完璧に家事をしなければならないと思い込んでいるかです。
家事を完璧にしなければならないという思考を表層上のものとしますと、さらにその下に中核の思考が存在していることが多々あります。
それは、「完璧に家事をしないと、私には価値がない」という中核的な思考。
思い込みです。
しかし、この中核の思考は妥当なのでしょうか。
そもそも完璧に家事をしない自分は価値がないということは、その前提として自分は価値のない人間であるということを示しています。
(そもそも自分に価値がないという思考も妥当なのでしょうか)。
(自分に価値がないから完璧に家事をするこを選択実行するこによって、自己価値を獲得するのです)。
心理カウンセリングでは、会話、言語を通じて、ありのままの自分を受け入れることを大切にした思考の変更を目指し、自己受容を図ります。
そうすることによってこの主婦は日々の家事をほどとぼに行い、今まで家事に使っていた膨大なエネルギーを他に回すことも出来、趣味の時間も増え、行動の変容も図れるのです。
行動の変容を起こすには、このように思考の変更が強く結びついているのです。
言葉を代えると思い込みからの脱却、もしくは自分を苦しめる思い込みを、楽な考え方に変えるといってもいいかもしれません。
私たちがどのよう振る舞うか、どのような行動をとるか、これらは意識的に選択出来るものです。
選択するのも思考です。
2 スキルの獲得
人と積極的にコミュニケーションをとりたいのだが、とらない青年がいるとします。
この青年にはコミュニケーションに関する自分を制限する思考はありません。
ではなぜ彼はコミュニケーションを積極的にとらないのか。
それはコミュニケーションのとり方が分からず、コミュニケーションに苦手意識を持っていることが原因かもしれません。
この場合は心理カウンセリングにおいて、心理カウンセラーが彼に対して、コミュニケーションの方法を指導、実践し、彼のコミュニケーションスキルを上げることを目指します。
すなわち、思考の変更ではなくて、スキルの獲得により行動の変容を図るのです。
スキルの指導は心理カウンセリングにおける重要な仕事でもあるのです。
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